プロンプト(一般)
■ 発想手法と建設業・技術提案での活用例
発想法を指定して、提案を引き出す方法です。
想法を変えることで得られる提案の“質”や“視点”が大きく変わります。
実務で活用する場合は、目的に応じて発想法を使い分けるのが効果的です。
発想手法 | 手法の概要 | 提案の引き出し方 (質問例) |
提案内容の特徴 |
---|---|---|---|
ブレインストーミング | 自由にアイデアを出し合い、量を重視する発想法。否定は禁止。 | この工事で考えうる改善点をとにかく挙げてください。 | 数多くの自由なアイデアが出やすく、斬新な案も期待できる |
マインドマップ | 中心テーマから放射状に関連項目を展開し、思考を整理する図解法。 | “安全性向上”を中心に、関連する技術・管理方法を放射状に展開してください。 | 構造的・関連性のあるアイデアが可視化され、整理しやすい |
KJ法 | 情報をカード化してグループ化・意味づけし、本質を抽出する方法。 | 現場の課題をカードで整理し、グループ化して意味づけしてください。 | 複雑な情報から本質的な課題と提案の焦点を導ける |
SCAMPER法 | 既存のアイデアを7つの視点(置換・応用など)から見直す方法。 | この施工方法を置換・組合せ・応用などの視点から見直してください。 | 既存技術の改善・代替・応用など、着実な提案が得やすい |
オズボーンのチェックリスト | 9つの視点から質問を投げかけてアイデアや改善点を発掘する。 | もっと簡単に、早く、安全にするには?と質問してみましょう。 | 実用性の高い改善提案や効率化案が導かれる |
TRIZ | 矛盾を解消するために発明的な解決策を導くロジカルな手法。 | 品質を保ちつつ工期短縮する方法を、矛盾の解消という観点で考えてください。 | 技術的に難しい課題にも理論的な打開策が得られる |
6-3-5法 | 6人×3案×5分でアイデアを順番に書き加えることで発想を拡げる。 | 短時間で複数案を書き、他の人がさらに展開してください。 | 意見が偏らず、さまざまな視点から提案が量産される |
逆転発想法 | 常識を逆転させた視点で新たな気づきやアイデアを得る方法。 | 意図的に失敗させるとしたらどうするか?逆に成功の要因が見えるかもしれません。 | 非常識な問いから新たな視点・盲点に気づける |
シックスハット法 | 6つの帽子で異なる視点(感情・事実・否定など)から検討する。 | この提案について、利点・リスク・直感・改善案をそれぞれ考えてください。 | 多面的・バランスの取れた提案の評価と強化が可能 |
厚さ1mのコンクリート壁を2m×2mの範囲で撤去する計画があります、シックスハット法により撤去方法を提案してください。
以下は、厚さ1mのコンクリート壁(2m×2m)の撤去について、シックスハット法(Six Thinking Hats)を用いて多面的に検討した提案です。
各帽子の視点から、撤去方法や留意点を引き出しています。
🟦 青の帽子(進行・整理)
【目的整理】:騒音・粉塵・振動・周囲構造物への影響を抑えつつ、安全かつ効率的に厚さ1mの壁を撤去すること。
【方針】:以下の各視点(帽子)から方法案を検討し、実現性とリスクをバランスよく評価。
⚪ 白の帽子(事実・情報)
コンクリート厚:1m、範囲:2m×2m
鉄筋の有無:不明(想定必要) → 鉄筋探査が必要
隣接構造物:ある場合、振動・騒音に配慮必要
使用可能重機:作業スペースにより限定される可能性あり
使用可能時間帯:周辺への影響がある場合、夜間作業不可 �
⚪赤の帽子(感情・直感)
周囲住民や作業員の感情として「騒音や粉塵への不安」が想定される
作業者は「コンクリートの厚さからくる危険性」に緊張感を感じやすい
「一気に壊す」より「丁寧に少しずつ」が安心感につながる
⚫ 黒の帽子(否定・リスク)
ブレーカー等での破砕 → 騒音・振動が大きい
ウォールソー切断 → コスト高・切断時間が長い
斫り工法 → 粉塵飛散、重機落下物リスクあり
1m厚のため、裏側への破砕時の飛散・転倒リスク
鉄筋切断の困難さ(切断工具の選定が重要)
🟡黄の帽子(肯定・利点)
ウォールソーを使えば精度が高く、騒音・振動が比較的少ない
小割解体であれば、粉塵抑制や安全管理がしやすい
静的破砕剤(ブライスター等)との併用により安全性向上
ダイヤモンドワイヤーソーなら形状制限が少なく正確な切断が可能
🟢 緑の帽子(創造・新案)
ウォールソーでブロック切断後、クレーンで吊り出し → 精度重視
静的破砕剤でひび割れ誘発後、小割撤去(低騒音・無振動)
カッター+ウォータージェット併用で鉄筋周囲も含めた除去
内面からコア抜き後に楔を打ち込み剥離・搬出する小規模対応策
AI施工管理(粉塵・音振動監視センサー)との併用で環境管理型工事
■ 結論(青帽子再確認)
総合的に見ると、下記のような組み合わせ案が現実的で、安全性・効率・周囲環境への配慮を両立できます:
■ 提案手法(複合工法)
鉄筋探査後、ウォールソーによる切断で外形を確定 ブロック単位に切断 → 小型吊り機で撤去(必要に応じて分割) 必要に応じて静的破砕剤(ブライスター)を併用し、内圧で割って取り出し
粉塵・騒音対策として水散布・防音シート設置 AI監視システムで粉塵・騒音をリアルタイム管理
厚さ1mのコンクリート壁を2m×2mの範囲で撤去する計画があります、逆転発想法により撤去方法を提案してください。
■ 課題
対象構造物:厚さ1m、面積2m×2mのコンクリート壁
通常手法:ウォールソー・ブレーカー・斫りなどの破砕や切断による撤去
■ 逆転発想法による検討ステップ
◆ Step1:あえて「逆のこと」を考える
「壊さない」・「壊れないようにする」・「コンクリートを厚くする」
→ 普段やらないことを考えることで、別の切り口が見えてきます。
■ 逆転アイデア例と実際の提案への展開
逆の発想 現実の提案への変換 撤去せずに壁の役割を変更する
→ 躯体を残したまま、別の構造物として再利用(例:埋め戻しによる消失化)
壊さないで“移動”する
→ 壁を切断してクレーンで一体搬出(プレキャスト撤去的な発想)
増やすことで目立たなくする
→ 同種の壁を並列に設け、対象壁を内部化 → 解体不要に
壊す代わりに溶かす
→ ウォータージェット工法で徐々に断面を削り、形状を変化させる(非破砕)
爆破して一瞬で除去する
→ 安全なマイクロ破砕技術の導入で振動を局所化して撤去
「コンクリートを強化する」方向で考える
→ 強化→切断難→逆に「強化することで上部構造を吊り出しやすく」
斫らない方法で形状変化させる
→ コアボーリング+ジャッキ展開でパネル状に取り外し
■ 逆転発想から導く具体的提案例
パネル化+クレーン吊り出し工法
→ ウォールソーで四辺切断+鉄筋カット
→ パネル状にして一体で搬出
→ 斫り・破砕が不要、粉塵・騒音最小化、再利用・再配置も可能
ウォータージェット工法(無振動解体)
→ 切削水圧で微細に表面を剥離・深掘り
→ 徐々に厚みを除去
→ 周辺構造物の保護、火花・振動なし
静的破砕剤による内部割り(壊さず膨張で剥離)
→ ドリル孔にブライスター注入
→ 自然破砕による静かな撤去 解体せずに埋設(死蔵化)案
→ 現場条件によっては、周囲を埋戻し材で囲み、物理的に役割を消失させる案も選択肢
■ メリット
通常思いつかない**「撤去しない・壊さない」という選択肢**が検討に入る
周囲環境への影響(騒音・振動)を最小化する手段が出やすい
撤去→再利用・加工→転用といった循環的な思考につながる